NHKの大河ドラマ、「軍師官兵衛」。V6の、というとイメージが変わりますが、岡田さんが主役を演じて、
結構面白いですよね。秀吉をよく助けて、その才覚は本当にすごいものがありますね。
そんな官兵衛ですが、倹約家というかそんな一面も見せてくれました。
そういう意味では、経費についてはシビアだったようです。
経理職は当然、お金のこのことに社内で一番、詳しい人たちなはずです。
そんな経理職が、社長を助け、参謀となる一番近いことに携わっているのは当然です。
また社長も、参謀がほしいと願っていることも多いようです。
なぜなら、社長というのは孤独だったりするからです。
案外経理という身近なところに参謀がいるのに、事務屋と思っていたりすることもあるようです。
ここに、「経理マンの逆襲―「政策参謀」たちの利益革命」樫谷隆夫・綱本重之ダイヤモンド社1988年があります。
ちょっと古い本ですが、幻の名著かもしれません。
そこには”経理マンが参謀になる方法”がとても具体的に書かれています!
著者は 経理を事務屋と思っている社長とまた事務屋となっている経理マン双方を叱咤しています。
古いイメージの経理に対して、常に行動する積極的なビジネスマンとして社長参謀たる経理マンになってほしいという意図から執筆
したとのこと。
特筆すべきは、
まず「経理部門が利益をだす」ということ。
えっ営業じゃないのにどやって?と思いますよね
でも、数字で見える形として 「安いコストの資金調達/余剰金の効果的な運用/節税/作業の効率化」
という形で貢献できると。
またもうひとつの形として、経理部門が他部門に働きかけることにより会社にもたらされる利益
「営業部門の売掛金管理のレベルアップ/製造部門のコスト管理のレベルアップ/部門別目標管理・採算管理のレベルアップ」
とあげています。
全体への働きがけが重要だと。
また経理が”利益部門”になり自己変革するポイントは(一部改変)
専門知識をつける(もちろん会計)
他部門でも通用する人材か
経営の基本を知っているか
自社の課題をつかんでいるか
過去より未来の経営を重視しているか
業務の標準化を実施しているか
管理会計を身に着けているか
積極的提案のすすめ
としています。
要は、経営事務だけではなく、広く経営を身につけている”ビジネスマン”かということのように思われますね。
ということなので、参謀 軍師になるには幅広い知識と経験が必要なのですね。
「…つまり「金」の動きを把握し、会社の「情報」を正確つかめる経理こそが、社長のスタッフや参謀として。もっとも適している位置にあるといえよう」p134
会社全体を見ているということでしょう、そして「社長のブレーキ役」さらに「象徴個人の相談相手(社長財産の増強、事業継承、相続税問題など)」になり、
社長の良き理解者として付き合っていくことが第一歩。
巻末には経理マンが身につけるとよい知識をあげています。
内容は経理が本当に広く・深いものであることがよくわかるものでした。
簿記については日商簿記検定1級、会計だけでなく、法律・財務・会社各部門の理解・営業担当者とのコミュ二ーケーションなどなど多岐にわたっています。
やっぱり簿記が基本なんですよね。
経営に対するコンサルティングは、顧問の公認会計士・税理士がやるもの…というのはもちろんあると思います。
しかし、彼らは会社に毎日いるわけではありません。
日々会社にいて、会社全体を常にみて、また現場で働いている各部門とコミュニケーションが取れるのは、
やはり経理部門の人間だと思います。
会社は日々変化します。
社長の参謀として常に一緒にいて問題を解決する”軍師”はやはり経理ではないでしょうか。
そしてその基本である簿記を身につけることが”軍師”への第一歩でしょう。